【今週の直言】政策より名称先行という「ためにする批判」・・・民進党、昨年末の「基本政策合意」をそのまま継承

 今回の新党結成にあたっては、安倍官邸と自民党、その広告塔と化した一部メディア、政治評論家等から「政策の議論もせず、先に名称を決めようとしている。政策なき合流は野合だ」との、悪意に満ちた「批判のための批判」が繰り返されました。

 しかし、その「政策」は、結党にさかのぼること3か月以上前、昨年12月8日の民主、維新両党の党首会談で既に合意されていました。維新と民主が国会で統一会派を組むことを決めた時です。

 それを知ってか知らずか、こうした批判を繰り返す方々の見識には、ただただあきれるばかりです。特に、一部の全国紙、著名な評論家までがこうした「ためにする批判」をしている姿をみると、何か、安倍官邸と特殊な関係があるのでは、と疑ってしまいます。

 その「基本政策」ですが、3月29日に開かれた第一回のNC(次の内閣)で一言一句たがわず、民進党に引き継がれました。綱領から「30年代の原発ゼロ」が抜けた、後退したとの批判も受けましたが、それはこの「基本政策」の方に明確に「30年代の原発ゼロ」と明記していたので、そもそも綱領になじまない「年代つき」の表現を綱領らしい表現(「原発に頼らない社会」)に改めただけです。

 民進党の「基本政策」は、後掲のとおりですが、その中で、旧維新の党らしい、その政策が盛り込まれた部分を以下に特記します。以前にも述べましたが、旧民主党がよく呑み込んでくれた、旧民主と旧維新の良いところが合体できた、その「合流効果」だと自負しています。

^楕殍\については、単なる「廃案」だけでなく、旧民主党が昨年の国会で出せなかった「対案」を出すことを合意し、既に今国会に提出したこと(領域警備法、周辺事態法とPKO法の改正案)。

◆嵜慶賃綣佞里△觀从兩長」を明記し、具体的には規制改革による新規参入や自由貿易の推進等による「持続的かつ実質的な経済成長を目指す」としたこと。

「2030 年代の原発ゼロ」を明記し、再稼働については、国の責任を明確化し、責任ある避難計画が策定されることと、核廃棄物の最終処分場選定プロセスが開始されることを前提としたこと。

ぁ嵜箸鮴擇覯革 」については、公務員に労働基本権を与え、自律的な労使交渉で給与等を決める、国家公務員については20年までに総人件費2割カットを目指すという、みんなの党以来の主張を盛り込み、既に今国会に法案を提出したこと。
さらに「議員定数の削減」や、「企業団体献金(パーティー券の企業団体による購入を含む。)の禁止」「文書通信交通滞在費の使途公開」を明記し、ほぼ100%の内容となったこと。

テ韻犬、みんな、維新以来の原点たる「地域主権改革」についても、「道州制への移行」を含め、明記されたこと。

 以上のように、今回の新党結成、その肝である綱領や政策は、私、江田けんじの良心に照らしても、率直に受け入れられる内容となりました。「民進党」への名称変更を含め、心機一転、今後の課題は、この政策を党一丸となって実現すべく、責任政党として行動していくことだと考えています。

 皆さんのご理解、ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。


(基本政策)

1. 現実的な外交安全保障
 日米同盟を深化させるとともに、アジア太平洋地域との共生を実現し、国際社会の 平和と繁栄に貢献する。安全保障については、立憲主義と専守防衛を前提に、現実主義を貫く。
 今般可決された安全保障法制については、憲法違反など問題のある部分をすべて白 紙化するとともに、我が国周辺における厳しい環境に対応できる法案を提出する。
 核兵器廃絶、難民受け入れ、人道支援など、非軍事分野の国際貢献を積極的に行う

2.立憲主義の確立
 幅広い国民参加により、真の立憲主義を確立する。
 日本国憲法の掲げる『国民主権、基本的人権の尊重、平和主義』の基本精神を具現 化するため、地方自治など時代の変化に対応した必要な条文の改正を目指す。

3. 新陳代謝のある経済成長
 新規参入を拒む規制の改革によって、起業倍増を目標に新陳代謝を促し、持続的か つ実質的な経済成長を目指す。
 経済連携協定によって自由貿易を推進する。ただし、個別具体的には、国益の観点 から内容を厳しくチェックし、その是非を判断する。
 地域を支える中小企業の生産性向上のため、研究開発、人材、IT、デザインなど、 ソフト面への支援を強化する。
 職業訓練とセーフティーネットを強化した上で、成長分野への人材移動を流動化す る。科学者、芸術家、起業家など、クリエイティブ人材の育成と集積を進める。必 要な海外からの人材は、計画的に認めていく。
 同一労働同一賃金と長時間労働規制を実現し、働きがいのある社会を創る。

4. 「居場所と出番」のある共生社会
 生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立ち、社会の活力の根源である多様性を 認めあう格差の少ない寛容な社会を目指す。政治は社会的弱者のためにあるとの考 えを基本とする。
 子どもと若者の支援や男女共同参画を進め、正社員で働くことができ、希望すれば 結婚し子どもを持つことができる「人口堅持社会」を目指す。
 世代間公平に配慮しつつ、重点化と効率化によって、持続可能な社会保障制度を実 現する。
 地方自治体、学校、NPO、企業、地域社会など、公共サービスの担い手を多様化し、 それぞれが十分に連携し合う社会を創る。
 公務員について、能力や実績に基づく人事管理を進めるとともに、労働基本権を回 復して、労働条件を交渉で決める仕組みを構築する。労働基本権回復までの間は、 その代償措置である人事院勧告制度を尊重する。

5. 2030 年代の原発ゼロ
 2030 年代原発稼働ゼロを実現するため、省エネを徹底するとともに、小規模分散電 源や自然エネルギーへのシフトを推進する。
 原発再稼働については、国の責任を明確化し、責任ある避難計画が策定されること と、核廃棄物の最終処分場選定プロセスが開始されることを前提とする。

6. 身を切る改革
 既得権益を排し、「官権政治」から「民権政治」へ転換する。
 国民との約束である議員定数の削減を断行する。
 企業団体献金(パーティー券の企業団体による購入を含む。)禁止と個人献金促進を 定める法律の制定を図る。また、透明性向上の観点から、文書通信交通滞在費の使 途を公開する法律と、国会議員関係政治団体の収支報告書を名寄せし、インターネ ットにより一括掲載することを義務付ける法律の制定を図る。
 財政健全化推進法案に基づき、無駄な公共事業の削減と行政改革などを徹底するこ とで、2020 年度のプライマリーバランス黒字化を確実に達成する。
 職員団体等との協議と合意を前提としつつ、国家公務員総人件費の2割を目標に、 その削減を目指す。
 消費税10%への引き上げは、身を切る改革の前進と社会保障の充実を前提とする。

7. 地域主権改革
 「権限・財源・人間」の東京一極集中を脱して、地域の創意工夫による自立を可能とす る地域主権社会を実現する。
 基礎自治体の強化を図りつつ、道州制への移行を目指す。その際、それぞれの地域 の選択を尊重する。
 国の出先機関をゼロベースで整理し、職員の地方移管を推進する。
 税源移譲や国庫補助金の一括交付金化、地方交付税制度の見直しを含め、地方財政 制度を見直す。

【今週の直言】民進党 結成! 代表代行に就任・・・「安倍政権の暴走」をストップし、政権交代をめざす!

 2016年3月27日、民主党と維新の党は、自民党に対抗しうる政権交代可能な一大勢力=「民進党」を結成しました。

 今の「安倍自民党一強の政治」ではなく、互いに競争して切磋琢磨できる政党をつくり、緊張感をもった政治にしないと、決して国民を向いた政治は実現できません。この新党結成で、色々試行錯誤はありましたが、私、江田憲司が
一貫して訴えてきた「野党再編「自民党のライバル政党づくり」という公約が実現したことになります。

【常に「民」の立場で改革を進める!】

 「民進党」という党名は私、江田憲司が発案しました。その党名に込めた思いは、「民」と共に「進」む、歩むです。また、「進」には進化、進歩の意味もあり、常に「民」(「官」ではなく)の側に立ち、イノベーション、改革を進めるということです。

 維新の党と民主党が合流することで、我が維新の政策を曲げたというような批判をされる方がいますが、まったく当たりません。むしろ、よく民主党が我々の政策を呑んでくれたと思うほどです。

 例えば、安全保障では、昨年、民主党がどうしても出せなかった対案を共同で国会に提出しました。北朝鮮の核・ミサイルや中国の海洋進出等の脅威に備えた領域警備法の制定、PKO法と周辺事態法の改正案です。

 「身を切る改革」についても、国家公務員の人件費2割カットは既に法案を共同で提出しましたし、甘利問題に端を発する「企業団体献金の禁止」法案も提出する予定です。「消費増税(10%)の凍結」も維新主導で決めました。

 「30年代の原発ゼロ」や「規制改革等の成長戦略」「雇用の流動性促進」「自由貿易の推進」「地域主権改革」等の政策も盛り込み、私、江田憲司の良心に照らしても、率直に受け入れられる内容となっています。

【「解党新党」に匹敵する名称、綱領、政策】

 今回の決断は、違憲の安保法制や言論統制等にみられる「安倍政権の暴走」にストップをかける、そのためには政権を獲るしかないという大局的な判断で行ったものです。「解党新党」が理想でしたが、それに匹敵する「党名」
「綱領」「基本政策」となったと思います。

 ただ、正念場はこれからです。4月下旬には北海道と京都で衆院補選があります。夏には参院選、そしてかなりの確率で衆院選も想定されます。大事なことは、この民進党が「国民のために何をやるか」「何をやってくれるのか」を
はっきりさせていくことです。そう、安倍自公政権との政策的な対立軸をしっかりと打ち出していくことです。

 私は、「違憲の安保法制の廃案=立憲主義を守る」ことや「原発ゼロ」も大事ですが、やはり、「政治は社会的弱者のためにある」という新党の政治理念をはっきりと訴えていくことだと思っています。

 今の安倍政治は「強い者をさらに強くすれば、そのおこぼれが弱い者にいく」という「トリクルダウンの政治」です。それに対し、民進党は、社会的に弱い立場に置かれている人たちに光を当てる、予算の重点配分をしていく。低所得者や低年金のお年寄り、ひとり親(母子)家庭や貧困のこども、非自発的な非正規や派遣社員、難病や障害をお持ちの方、、、、。

 政権をとる、権力を握るということは、こうした政策転換をしていく、より直截に言えば、予算の配分を変えていくということです。予算編成は政治そのもの、権力そのものです。自公政権からの政権交代を成し遂げ、「政治は社会的弱者のためにある」、誰もに「居場所」と「出番」がある「共生社会」を実現していきたいと思います

【今週の直言】企業団体献金の全面禁止を!・・・I當未凌佑政治家になれる選挙制度に

 先に私は、「事前運動」を一切禁止する代わりに、選挙期間中の運動を、「公営選挙」や「インターネット選挙」の導入により、政策本位に充実させる、そうすることで、政界への参入障壁、すなわち、「お金」と「知名度」という二つの障壁を低くすることができる、現職に対し、新人候補の不利も緩和させることができると書きました。

 今の政界に人材枯渇感は甚だしく、このままでは小選挙区制、すなわち、「城下町制」の下で、ますます、二世、三世しか政治家になれなくなる。世襲制限を何らかの形で導入することに私も賛成ですが、より根本的な解決策は、公職選挙法、すなわち、選挙制度の抜本改革にあります。つまり、候補者本人の理念や政策を、もっとわかりやすく、詳細に有権者に伝えていける仕組みに変えていくことが重要なのです。

 衆議院議員選挙の場合、選挙期間は12日間あります。まず、この12日間の選挙運動期間中に、何と候補者同士の公開討論会が、法律で禁止されているのです。

 昔は、「立会演説会」というものがあって、すべての候補者が弁士として並び、それぞれ縦横無尽に論陣を張ったものでした。しかし、演説会場に特定の候補者の支援者が大挙押しかけ、会場が騒乱状態になったり、誹謗中傷が飛び交ったり、公正中立な運営が確保されなくなったという理由で禁止されのです。

 しかし、これは実は表向きの理由で、本当の理由は、政界の主流を占めるお年寄りの議員が、とてもそういう公開討論に堪えられない、政策論議すらできない、ということで禁止されたのです。

 だから、一刻も早く、この選挙期間中(12日間)の公開討論会を解禁すべきでしょう。そして、最低5回程度は行う。外交・安全保障で一回、経済で一回、社会保障で一回、教育問題で一回というように、毎回テーマを決めて実施する。

 しかも、その公開討論会は、市役所や町役場などが中心となって公営で行う。「公営」という意味は、単に会場を提供するというだけではなく、聴衆をできるだけ多く集める準備もするということです。今時、討論会を開いても人があまり集まらない。人集めのPRとして、ビラを配り、公共放送でも周知するのです。

 そして、この時ばかりはマスメディアにも協力してもらう必要があります。討論会で出てきた各候補者の主張や論点については、新聞の地方版やローカル放送、ケーブルテレビなどで詳細に報道し、有権者に知らしめる。民主主義の発展のために、選挙期間中くらいは、ある程度、電波や紙面を割いてもらうのです。とにかく、理念や政策本位に、各候補者の資質を有権者が直接判断できる仕組みを整えることが非常に大事だと思います。
 
 現行制度の下での公開討論会もあるにはあります。法律で禁止されていない選挙の告示前に限り、ボランティア団体の主催で全国的に行われているものです。ただ、私も候補予定者として実際出席してみましたが、聴衆が、六百人の会場に百人も集まらない。しかも、各候補予定者の支援者、すなわち身内が多い。翌日の新聞報道の扱いも小さい。主催者の苦労は大変なもので、心から敬意を表したいのですが、残念ながら、有権者への判断材料を提供する役目を担っているとは、とても言えない状況なのです(次週に続く)。

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シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・ヾ覿斑賃慮ザ盒愡澆郎拈酘盂媚に決着済み
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シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・△覆疾治にお金がかかるのか?(上
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シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・△覆疾治にお金がかかるのか?(下
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【今週の直言】シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・△ぜ政治にお金がかかるのか?(下)

 そこで(足りない分は)「個人献金」となるのですが、残念ながら、日本では、個人献金の習慣が育っていません。米国には草の根民主主義の歴史、伝統があります。「小金持ち」「中金持ち」がベンチャー企業に投資したり、政治家へ寄附をしたりする。

 オバマ大統領は大統領選で、インターネットを駆使し「ワンクリック献金」等で何百億円も個人献金を集めました。そういう土壌、文化が日本にはないので、個人献金といっても、どんなに集めても年間一千万円には届きません。

 私の場合、政治活動を、その個人献金だけで支えていただいてきましたが、よくて年間一千万円弱です。といっても、議員平均からすると多い方の部類に入る。ただ、無所属時代はこれだけでは政治活動ができないので、不足分は、国会議員の給料等の一部を自分の事務所に寄附をして賄っていました。

 こういう実態も、よく国民の皆さんに理解していただいたうえで、真面目な政治家が、真っ当に政治活動をしていてもお金が足りないということであれば、政党助成金を活用すべきではないか思います。政治家が金集めに腐心をして、本来やらなければならない政策や議員立法の立案に手間暇を割けない、というのでは本末転倒ではないでしょうか。そこから、奈落の底に落ちていった政治家の姿も、これまで直接、見てきました。しかし、国民の間には根強い「政治不信」があるので、こんなことを言ったら袋叩きにあいかねない。

 もちろん個人献金の促進策も必要です。献金した場合の所得税額控除をもっと拡大するなどの優遇措置を講ずるべきでしょう。現在は、一〇万円、二〇万円献金しても、所得税から控除される額は微々たるものです。もっと大胆に、寄付した額の半分は所得税から控除するといった恩典を与えれば、それはそれで個人献金を促進していくことでしょう。

 このように、政治活動は、個人献金を中心に行っていくべきです。ただ、それだけでは今の日本では資金手当が不充分なので、やむをえず政党助成金も活用する、その代わりに政治家個人への企業・団体献金は全面禁止にするという流れを、もっと推し進めていかなければなりません。何も、私だけが声高に言っているのではなく、この方向は、九三年当時、政党助成金制度を導入した時の、与野党含めて合意した政治資金制度の原点なのです。

 最後に付け加えると、政党助成金を共産党はもらっていません。政党助成金に反対する人は、国から交付される助成金だから、政党が国に過度に依存することになり、政党の国家管理が進むと考えるからだそうです。

 しかし、私は、いまのような機械的な計算で、自動的に助成金の配分額が決まるような法律さえ国会がつくっておけば、行政府である総務省が、政党を左右することはあり得ないと考えています。助成金交付に裁量性をなくし、羈束(きそく)行為でしっかり縛っていけば心配はありません。それよりも、企業団体献金を続けることの方が悪を生みやすいのです。

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シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・(2)なぜ政治にお金がかかるのか?(中)

 先週説明した「事前運動」に係るお金に加え大きいのは、「私設秘書」の人件費です。現在、秘書3名までは「公設秘書」として、国から給与等は支給されますが、これでは政治活動を支える人数としてはとても足りません。少なくとも東京の議員会館と地元の事務所に相応の体制を組む必要があるからです。

 私の場合、無所属議員でスタートしたということもあって、おそらく衆院議員では最も少ない人数で切り盛りしていますが、現在、議員会館に2名、地元事務所(1か所のみ)に4名、それでも3名分の人件費は自前で支給しなければなりません。一人平均仮に400万円とすると、それだけで年間1200万円の経費がかかるのです。

 しかし、自民党の政治家をはじめ、こんな少人数の事務所自体がまれで、選挙区内に何か所か事務所を置いて地域割りをして担当させたり、甘利問題でも露呈されましたが、地元選挙区での口利き・ご用聞き用に私設秘書を何人も雇えば、その分、多額な人件費もかかってしまいます。実態はよくわかりませんが、自民党の大物政治家では、ゆうに私設秘書は10人を超えているのではないでしょうか。

 中には、冠婚葬祭専門で一人専任で秘書を置いている政治家もいます。いち早く選挙区内の通夜、告別式や結婚披露宴の情報をキャッチして、政治家本人や秘書が参会したり、祝電、弔電を打ったりするためです。

 以上のように「事前運動」や「事務所維持・運営」「私設秘書」に多額なお金がかかる。それを企業団体献金や資金集めパーティーでまかなっているというのが実情なのです。

 昔、ある月刊誌で、自民、民主の若手政治家何人かが、政治資金収支の詳しい内訳を公表したことがありました。それによると、少ない人で年間4000万円、多い人で1億円もかかっている。彼らのように、比較的清貧で改革派の政治家でもそうなのです。与党・自民党の幹部クラスの代議士であれば、年間1億円から2億円程度は、ざらにかかっているのではないでしょうか。派閥の長にでもなれば「子分」に配るお金も必要になるでしょうから、さらにかかります。

 私は、なかなか、こうした政治活動の実態が国民に伝わっていないから、政治資金への理解も進まないのだと思っています。華美なビラや口利き、御用聞きの私設秘書等の経費、ましてや子分に配るお金まで税金でまかなう必要はさらさらありませんが、現行の公的助成制度で、政治にかかる最低年間4000万円前後の経費さえ賄えないのが実情なのです。

 それでは、その「公的助成制度」はどうなっているのでしょうか。

 現行では、政党助成金に、国民一人当たり250円負担していただいています。それが年間300億円超にのぼります。それが、各政党の議員数と得票率に応じて分配(共産党は辞退)されているのです。

 政党に交付された先の実際の運用はどうか。単純に、政治家個人への人頭割り配分にはなっていません。なぜなら、自民党や民主党のような大きな政党組織では、党職員の給料や建物の維持管理費も賄わなければならない。そこにも政党助成金が充当されるので、末端の国会議員には、年間1000万円〜1500万円程度が渡されることになります。

 加えて、政治家個人には、国会から「文書通信交通滞在費」という名目で、毎月100万円が支給されます。これが年間1200万円。合わせて2200万から2700万円ぐらいの助成金があると考えればいい。

 他に、月に65万円の「立法事務費」というものがありますが、これは基本的に政党・会派に支給されるので、政治家個人には回ってこない。したがって、残りの不足分、すなわち、年間1000万〜2000万円程度のお金を、通常の議員は自分で調達しなければならないのです(続く)。

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