宝塚受験生だった41

ほとんど眠れずに、翌日の発表の時が来た。


発表はスクールの子たちと、それぞれのお母さん達で行った。




私は、
『落ちてたら武庫川に飛び込む』
と、真剣に言った。

母親はびびっていた(笑)




発表の場所にはすでに人が沢山いた。



新聞記者やテレビカメラやレポーターの人も沢山いて、良い場所を陣取っていた。




私達はなるべく前の、見やすい位置をキープした。


隣に何かお揃いの人形のついた棒を握りしめて祈ってる集団がいた。



この子たちもどこかの受験スクールの人みたいだな…




怖い…
今すぐ逃げ出したい…




でも早く見たい

見たくない

時が止まって欲しい

さっさと結果がしりたい




心拍数が250くらいの早さで目眩をさせながら、




相反する気持ちがどんどん浮かんで吐きそうなくらい緊張した…



そして


ついにこの時が来た…



3人の仮本科生が、大きな板を持ち、足並みをピッタリと揃えてやってきた。


その瞬間カメラのシャッター音がカシャカシャと鳴った。


真ん中の台に仮本科生の方一人立ち、両側におかれた脚立の前に板を持った二人の方が立つ。




『只今より、宝塚音楽学校第90期生の合格者を発表致します。合格者の方は、校舎内へお入り下さい!!』



威勢の良いしっかりとした声で代表の本科生の方が言った。
二人の方が脚立に上がり、板を壁に掛けて赤いリボンをほどく。



私は目の前が白黒するくらい緊張した。


すでに泣きそうだった。




心臓が口から半分くらい飛び出てたんじゃないかと思う。





2つ折りになっていた板が開く。


その瞬間



びっくりするくらい本当にその瞬間



私の名前が目に飛び込んできた。



…あった。
4057番と本名。




夢みたいだった。


倒れそうな

爆発しそうな気分








気づけば私は

泣き叫んでいた。








田舎のブスでお馬鹿でオタクな少女の、
夢が叶った瞬間。