ある駅のホームでの出来事

10月だね。

いよいよ人も町も田舎も山も秋の装いに変わっていく。
一番好きな季節。
自分の誕生日月だからっていうのもあるのかな。


電車で帰宅する途中の乗り換え駅で、エスカレーターを上がって自分が向かうホームに着くと女性に「○○駅にはこの電車で行けますか?」と尋ねられた。

俺「いや、○○駅はこの電車じゃなくて逆ですよ」

女性「ありがとうございます」

俺「・・・あっ!」

間違えて教えたことに気づきその女性に伝えようと振り向いたらすでにエスカレーターを降りかけている。

慌てて追いかけるがその女性、下りエスカレーターをさらに駆け降りていく。

俺も駆けて追いかけるがエスカレーターで他の人にはばまれて追いつけない。

やっとエスカレーターを降り切って角を曲がると、女性はすでに反対側のホームへ上がるエスカレーターを登りかけている。

“は、はやい!”

呼び止めようにも距離がありすぎる。

とにかくダッシュで追いかけて上りエスカレーターに差しかかると女性はアスリートばりの脚力でだいぶ先を駆けあがっていて、やがてホームに辿り着きそうな勢い。

どうしよう。このまま逆方向の電車に乗ってしまったら彼女は○○駅に辿り着けないどころか遠ざかって行ってしまう。しかもあんな必死に走っているということはきっと相当急がなければならない何かがあるのだろう。

“まずいぞ”

そしてホームに辿り着くとまだ電車は来てなくてやっと彼女に追いついた。

「あの、○○駅へはあっちの電車でした」

「え〜〜っ!そうなんですかぁ!」

「すいません…」

彼女は今来た道を今度は歩いて逆戻りしていく。

俺もまた同じ方向に戻るので彼女のあとに着いてエスカレーターを下る。

「・・・」

なんか気まずい…

「すぐに呼び止めようとしたんだけど、あまりに早く走り去って行ったのでその…」

「・・・」

怒ってるのかな…

しばらく歩いてたら彼女が止まって振り返った。

“はっ”

「わざわざ教えに来てくれてありがとうございました」

「いえ、こちらこそすいませんでした」

そしてまた2人して同じホームへ向けて歩きだす。

でもまだ気まずくて、ホームに着くと俺は先のほうに向かって歩いて行き、彼女とは違う車両に乗った。

「はぁ」

伝えたくても追いつけずハラハラしたのとホームとホームの間を猛ダッシュしたのとで何か疲れがドッと来た。

とりあえず無事に伝えることが出来て良かったけど、あれほど急いでいたのはなんでだろう、大事な約束か何かがあったのだろうか、それには間に合ったのだろうか…

今も気になっている。

 
  • コメント(全2件)
  • にしん(モンプラ誘い×迷惑しています) 
    10/1 07:12


    何だか読んでる私もハラハラしちゃった


    女性に追い付けて良かったね〜


    新垣さんのイイ人ブリがよく解る出来事だった


    それにしても女性は何を急いでいたんだろうね


  • さくら☆(多忙中) 
    10/1 22:16

    そのままにされなくて、ほっとしました
    新垣さんの優しさと誠実さからの行動ですね。
    お疲れさまでした。

    追いつかない…って不安ですよね。それに、少しの時間なのに、すごく長く感じますよね。よかった

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