ジ・コントローラーZERO 第13話『成長期』


僕は、18歳になった。








そしてこの10年の間、300を超える依頼を解決し、実践と勉強を重ね、着実にコントローラーとしての正確性を増していた。




何故なら、祖父の指示は素晴らしく、僕の成長もコントロールの範疇に加味されているため、案件を一つクリアする度に両手に余る程の知識が頭に入ってきたからだ。




初回の件と違い、全ての依頼に祖父が大まかな指示をくれた訳だが、この指示が素晴らしい。




心理学に基づいてはいるものの、それだけでは無い



“何か”



が含まれる特別な考え方。




『コントロール』




と祖父が呼ぶ一種の技術は、その実態を知っても、やはり魔法のようにしか思えなかった。





だがそんな完璧なロジックは、僕の未熟さにより揺らいできていた事を知ったのは…ある事件がきっかけだった。








「ジョー、出張に行ってくれ」





この頃になると祖父は、自宅で済ませられない案件は全て僕に任せていた。




膝に水がたまり、歩く事が困難だったからだ。





「アジアのな…T国にC国が武力的圧力をかけているんだが…助けるにはどうすればいいと思う?」



「前回Cがふっかけた因縁は漁業権でしたっけ? その前が日本に対してT国との国交をさせないように…今回は直接武力行使ですか…」



「うむ、そしてT国からは初の依頼となる。今回はよほど困ったとみえるぞ。まあ、結局CはTが自国から独立したことがいまだに許せないんだな」




「であるならば、Tを他国に守らせるのはどうですか?」



「うん? 例えばどこだ?」



「Cの近隣諸国は皆穏便にに済まそうともめ事を嫌うでしょうね」



「では?」



「…中東の戦闘性が高い国はいかがでしょうか。物資の輸出入を始め、お互いを同盟レベルに持っていくのは?」



「確かに中東は世界の中でも独自の論理で動いているしな。ある意味Cと同じくらいの我の強さはある。毒には毒か。面白い、やってみろ」




「はい!」




僕が中東を候補にしたのは、ウサーマがいたからだ。




初仕事での失敗を今回の話で打ち消したかったし、ウサーマに成長した姿を見せたいのもある。





僕は喜び勇んで翌日飛行機に飛び乗ったが…ウサーマとの再会は、全く予想だにしない展開となった…。