ジ・コントローラーZEROプロローグ『魔法の秘密』

僕は知っている。












君の心の中を。















僕には見えている。













この先に起こる出来事が。














多重人格者による猟奇殺人を片付けた後、殺人誘拐事件と銀行強盗を捜査するために東京に向かっていた。



車中…助手席で外を見つめる僕に日影舘さんは、おそらくずっと聞きたかったであろう質問をもじもじとしながらぶつけてきた。




「なあ、匠…美咲を助けてもらって本当にありがたいと思っている」




「…何か僕が答えたく無いような質問をしたいんですか?」




「!」




「最初にきちんと相手を思っている事を伝えるのは、その後言いにくい言葉を言う前のセオリーですからね…普通の人の」




「…そのお前の…心理学というのか? いや、心理学すら超える魔法のような技…それはいったいなんなんだ? どこでその力を身に付けたんだ?」




「フフ…心理学だけでこれができるならば心理学の研究者は皆、名捜査官になってしまいますから」




「ああ。ハッキリ言うが、ワシは…お前に惚れた。人間としてな。だから気になって仕方ないんだ。お前の力はなんなんだ? 本当に超能力なのか?」




「僕の力は『知識』『分析』『戦略』という三つのパートから成り立っています。事態や相手を分析し、知識の中から過去例や裏付けを引っ張り出して戦略を立てる。やってる事はこれだけです」



「そんな…単純な…事なのか?」




「そうですよ。毎回それだけで問題をクリアしています。ただし、知識は膨大なものですし戦略を立てるまでの時間は一秒が平均です」




「…!」




「知らなくていい事は何もない。“知らぬは罪”…そう育てられたもので」




「育てられた!? …誰にだ?」




「おっと…フフ…口が滑りましたかね」




「頼む、教えてくれ! 気になって仕方ないんだ」





「わかりました。ではお話しますよ。僕が…コントローラーになったいきさつを…」