窪は切ない夢を見る11『最終兵器出現』

「私はこのスーパーの仕入れ責任者だけど。今話は聞いてたからなんで箱から出てきたかはわかりましたよ。でも、中の白菜はどうしたの」



このおじさん、睨んでますが加藤茶さんに似てますね…



「あの、昨日は箱の中は何もなくて…配送の人が間違って蓋をしてトラックに乗せたんだと思いますが」



「本当かね?」



「だってあんな沢山生で食べたりできないでしょう」



「…名前と仕事は?」



確か前回はここで漫画の主人公って言ったからマズかったんですよね。



「窪泰明…漫画の原作者ですよ?(ニヤリ)」



キマった!



「…怪しい」



「えっ!」



「漫画の原作者なんてカタギじゃないしな…」



「いやおじさん、ヤクザでもないでしょう」



「おじさん? 自分も中年のクセに馴れ馴れしい…アンタ本当は白菜泥棒じゃないのかね? ちょっと警察を呼んだ方がいいな」



「また警察? 勘弁してくださいよもう…」



「また? アンタ常習犯かね」



なんか…どんどんマズい方向にいってるような気がしますね…このカトちゃん疑り深いなあ…



「いやそうじゃなくて前回はゴミ箱に入ってたから」



「ゴミ箱? 原作者なんて嘘ついてホームレスなのか!」



こ、これはもはや…



「なんでいつもこうなっちゃうんだろう…」



「やはり常習か!」



「あー!」



ん?



聞き覚えのある声が…



「ダーリン!」



振り向くと、そこには昨日も会った見覚えのある巨体。



「しずちゃん…」




「こんなとこで何してんのウ?」



「いや白菜の箱で寝てたら配達されて…しずちゃんは?」



「アタシィ? 昼間はここで働いてんのウ」



「しずか君の知り合いかね?」



しずかって本名だったんですね…



本名で風俗とキャバクラをやってたって…いろんな意味で恐ろしい人だ…



「濡れ衣を着せられちゃって」



「濡れ衣? なんのウ?」


「白菜泥棒」



「主任、これアタシのダーリンだがらァ、泥棒なんかしないっでェ」



「本当かね?」



「アタシのごど信じらんないのゥ? あとでこっそり抜いてあげるから信じてよゥ」



「い、いや、そんな事しなくていいから…わかった、帰っていいよ」



これは凄い威力だ…まさに最終兵器…



「良がったねダーリン!」