窪は切ない夢を見る07『鈍感力?』

「しずちゃんはなんでここに?」


「アンタのおかげでおばあちゃんが治ったんだげどォ、こんだおじいちゃんが倒れちまっでェ。いっぺん帰っで結局また稼ぎに東京さ来だァ。この店は体験入店ってやづゥ」



「おじいちゃんが…何の病気で?」



「痛風」



「そ…それは人事じゃないけど…」



「でもばあちゃんと違っですぐ手術しないと死ぬとかそういうんじゃないがらぁ」



「いやでもね…アレ痛いんですよ…有り得ないくらいね。おじいちゃん大変ですね」



「アンタ人の痛みがわかるんだねェ…好きになりそう…」



「ええっ!」



「こんなトコで会うなんて運命的だしィ、アタシ結婚してもイイなぁ」



「いやそれは! それだけは無理!」




「なんでェ?」



なんでって…この人ものすごい“鈍感力”ありますねぇ。



「しずかさんお願いします」



おおチャラ山さんファインプレイ!



「ぬがれちゃっだァ」




「残念ですね」



「これアダシの番号ねェ電話してェ」



「は…はい…」



「いやあ窪さんすいません。あの娘、従業員が知り合いみたいで今日だけどうしても体入したいって…最終的にお店には入れませんけど」



「そんな娘をつけなくても…お客にツケを回さないでくださいよ」


「本当にすいません。今すぐ真由美ちゃんを戻しますので。窪さん、真由美ちゃんを誘ってアフターでも行きませんか?」



「アフター? 高談社の雑誌ですか?」


「違いますって。ウチのお店が終わった後宇佐美さんとのぞみちゃんと4人で飲むんですよ」



「…プライベートで?」



「そうです」



「そんな事…いきなり…どうやって誘えば…」



「じゃあさっきのお詫びに僕が真由美ちゃんに言っておきますよ」



チャラ山さん…いい人だったんだ…



「人は見かけによらないなあ…どう見てもクズなのに…」




「ただいま泰明さん。アフターに行くんですって?」




「ああまだ宇佐美さんに話を…」



「行くに決まってんでしょう窪さん」



この人…案外女好きなんですね…。



「泰明さんが連れて行ってくれるお店、楽しみです」



あっ! さっきのお店は夜中やってないかも…。



「宇佐美さん、店どうしますか?」



「じゃあ窪さん、サパーに行って見ましょう」



「サパー?」