窪は切ない夢を見る06『神の悪戯』

「ングッングッングッ…プフ〜」



「おお窪さん凄い! さすが美女が隣にいると違いますね!」



「いやいつもと一緒ですよ!」



「泰明さん凄い! あんな量の多いビール一気する人見たことないです!」



「あれは心意気って言ってね。心の一気が縮まって心意気になったんだよ。アタシの心意気は縁起が良いって言われてて…」


「泰明さん本当に凄いです!」



おお、この尊敬の眼差し…もしかしてアタシの独身人生も四十路を前にしてついにピリオドがうたれる感じですね。




「長かった…」



「何が?」



「ああいやいや、人生が」



「なんで過去形なんですか? まさか病気に掛かってるとか?」



「病気…は掛かってるな」



「ええっ! 不治の病とかですか!」



「まあそうだね…」



「な…なんの病気か聞いてもいいですか?」



「痛風です」



「? なあんだ驚いた…死ぬのかと思いました。もう、ドキドキさせるんだから




「ドキドキ…?」



これは…もしや相思相愛なのでは…



20年振りに女子に告白…するべきですかね!?





「あの…おつ…」




うわあ心臓が爆発しそう!





「おつ?」




「おつ……」





ダメだ限界だ!






「…………………かれさまでした」



「真由美さん少々お借りしまーす」



「あっ、私抜かれるのをわかったんですね。つけ回しもわかるなんて泰明さん凄い! すぐ戻ってきますからね」



「………」



行ってしまいました。




「窪さん、だいぶ彼女を気に入ったみたいですね」



「さすが編集、エスパーですね」



「いや誰でもわかりますって」



しっかしあの娘アタシがやる事全部凄いと思ってくれるなんて……これは百年に一度の出逢いかもしれません。



運命に引き寄せられているような…



「神様ありがとう」



「しずかさん入ります」



「え?」



「あっ! あの時の優しい人ォ! ひっさしぶりィ」



「し…ずか…ちゃん」



「覚えててくれたのォ!」


しずかちゃんは先月新橋の風俗店で会った子で…巨体にビックリしておばあちゃんを助けるためのお金を渡したんですよ…。


「ごんなトコで会うなんてアタシ達運命的だわァ」



「そ…そんなわけ…」



神様…お礼言ったのに…