ジ・コントローラー17『現れた犯人?』

数時間前には気づかなかった鉄格子着きの窓から明かりが差し込む頃、建物の外に車が止まった。



「来たか…美咲さん、起きた方がいい」



「は…い…」



「さて…どんな手で僕達を外にいぶり出すつもりかな…」




“ガチャ”





意外にもすんなりドアは開いた。




「…………」




日影舘さんを悩みに悩ませ、僕のプロファイルを攪乱した猟奇殺人犯は、ついに顔を見せたのだ。



これで僕はこの事件における2つ目の目的をクリアした事になる。




残す3つ目は…美咲さんを連れて生きて帰る事だ。


おそらくそれが一番難しいポイントだろうけどね。



「…」



犯人は扉の向こうから顎を上げ、挑戦的にこちらを観察している。



おそらくはこれから狩るターゲットを品定めしているんだろう。



「犯人は…やはり君だったか」



「初対面だろう。知った風な口を聞きやがる」




「初対面…か」




「俺はテメェのにやけたツラを見たことがネェぞ?」



「本当に…初対面かな?」



「ヘッ…クドい野郎だな。テメェがするのは命乞いだろうが。なに知ったかぶってんだ」



「君の部屋で…会ってると思ってたんだがね」



「ああ、確かにな。でもよ、テメェを後ろから殴っただけでも“会った”っていうのか?」



「そりゃ言わないね。しかしまさか…君だとはね。なるほど、最初のプロファイルが外れる訳だ」



「…俺の下調べはすんでるって事かい」



どうやら


“もしも”


は、的中したようだ。



僕のプロファイリングが外れるとすれば、このパターンしかありえなかった。



「部屋の掃除は家族じゃなくて自分でやってたのか…」



「ああそうだ。…なあ、くだらない事言って話をそらそうってのか? さっさと外に出やがれ、大将」




ボウガンを向け、殺人鬼は荒んだ目で僕達を威嚇した。



「わかったよ。“狩り”に付き合えばいいのかい?」



「物わかりがいいじゃねぇか。テメェが何者かはわからねぇが20分待ってやる。出来るだけ遠くまで逃げろ」




「わかった」



僕と美咲さんは、比較的森が深くなさそうな方向に走り出した。



「匠さん、あれが…犯人なんですか?」



「そうだよ。死んだ筈の…飯塚文雄だ…」




「あの…でも、女性でしたよ?」