ジ・コントローラー11『華麗なるプロファイル』

「次ってお前…」



「車に乗って」



日影舘さんを車に詰め込んで、僕がハンドルを握る事にした。


「次ってどこだ?」



「まあ落ち着いて…昼食を食べて行きましょうか」



僕達は街道沿いのレストランに入った。



「チキンカレールー大盛りでください」



「なあ、この後どこに行くんだ? 河津と石川の怪しい方を署に連れて行くんじゃないのか?」



「…もう1人いたのを覚えてますか?」



「ああ? 死んだ男か?」



「ええ。飯塚文雄…彼も候補だったでしょう」



「しかし死んでるんじゃ犯人じゃあないだろ」



「でも模倣の可能性もある訳で。さっきの2人をジャッジするための情報としても必要です」



「そうか…そうだな…しかし、あいつら今頃逃げてたらどうするんだ?」



「うーん…犯人がどちらかの場合、あの場でしつこく詰問したりすればそうなっていたかもしれないですが、そもそも罪状も言わない上にサッと切り上げた分、逃げなきゃいけないようなプレッシャーはないはずですよ」



「だからあっさり引き上げたのか!」



「仕事という

“日常”

をスカして逃げる時は、これまで築き上げた平和と引き換えに逃亡するという事になる。ならば、めぼしがついた段階で今日の仕事終わりを抑えた方が確実です」



「お前はいったいどこまで計算ずくなんだ…」




「フフ…今圧力を与えるのは逆効果だって言ったでしょう。あなたは興奮しすぎなんですよ」





“お前が犯人だ”



と疑っていると相手に思わせたならば、犯人は焦って美咲さんを殺すかもしれないし、逆にほとぼりが覚めるまで監禁場所に行かないかもしれない。


どちらにしても、犯人候補を絞る前では危険性が高くなってしまう訳だ。



万に一つのミスも許されないし、する気もなかった。



時間が無い中でも、僕はいつもの通り針の穴を通すような、繊細な采配をふるいたかったんだ。



「辛さが足りない…」



「お前本当にカレーが好きなんだな。どこのカレーをご馳走すればいいんだ?」



「カレー大将っていうお店が一番です。事件が解決したらお願いしますよ」



「通ってるのか?」



「古い友人の店なんです。高円寺マキト君…カレーの天才ですよ」



「おお、じゃあ解決したらそこに行こう!」




そして昼食後、僕達は飯塚の家に着いた。