ジ・コントローラー07『捜査開始』

金曜の朝、7時半だというのに日影舘さんはドアが壊れそうな程ノックしてくれた。



「匠、起きてくれ! 朝飯食って捜査に行こう!」



「…はいはい…」



本来僕は夜型だというのに、ここのところずいぶんと朝早めに起きる日々が続いている。



それも強制的に。




「参ったなあ…」




朝食バイキングを食べている間も、日影舘さんは不安を紛らわせたいらしく質問責めだ。




「犯人をどうやって割り出す?」



「簡単な方法としては、嘘をついていれば怪しいかどうかはわかりますから、まずは直接会って怪しい方を見張ればいいでしょう」



「知的障害の石川はそのなんだ、ナントカ型じゃあないんじゃないか?」



「秩序型? いや、障害の度合いにもよりますが犯罪に対して障害にならない場合もありますから」



「そのプロハ…イリング? はどうやって身につけたんだ?」



「海外でちょっと…」




「どうして?」



「フフ…それはまたいつか…日影舘さん、質問してないでご飯食べてくださいよ」



「おおすまんすまん。つい…な」



「美咲さん…早く会いたいですね」



「うん? うん。…たったひとりの家族だからな」



「……」



触れてはいけない部分に触れてしまった気がして、僕は口をつぐんだ。




「…妻はあいつを産んで亡くなったんだよ」




「そうですか…」



「喧嘩したり家出したりもあったけどな…2人でずっとやってきたんだ。あいつがいなくなったら1人になっちまう…」



「必ず…美咲さんを見つけ出します! 必ず!」



「お…おお! グスッ…」



「まずは河津邦正の家に行ってみましょう」



「なんで河津から?」



「消去法でいけば確率が高いですから」




一時間後、僕達は河津のアパート前に立っていた。



「…河津の部屋は二階ですね」


“ドンドン”


「河津! いるんだろ!警察だ」



「警察?」



ドアを開けた河津は、僕達をジロジロと上目遣いで見ている。



顔を正面から見ないのは、正対したくない気持ちがあるから。



つまり後ろめたいんだ。



その中でも顎を引き上目で見ているタイプは



“内心を隠したいor怯え”



がベースになっている。


彼は、明らかに警察の来訪に動揺している訳だ。



「君…今仕事は?」