ジ・コントローラー04話『連続性』

「あった!」



時計の針が23時を回る頃。


冨士平署のファイルに、別事件としては処理されているものの、同一犯らしき犯罪が遠金さんの殺害を含み4件確認できた。



「お茶どうぞ」




美人婦警さんが眠気さましの渋いお茶を机に置く。



「お二人共こんな遅くまでご苦労様です」



「すいませんね、神山婦警」



「いえいえ、娘さんが心配でしょうし…」



「匠、今回の事件を担当してくれているのがこの神山婦警なんだ」



ああ、ノンビリ所轄だっけ?



4件の犯罪を同一事件だと思わないこのファイルのズサンさは、確かにあまり切れ味がいいとは言えないね。



「神山さん、この4件の同一事件ですが…」



「え? でも…傷口は同じですけど、最初の3件と遠金真奈美殺人は間が五年も開いてるし…違う犯罪だと思いますよ…模倣かも?」



「どうしてそう思います?」



「確か前の3件は暴行痕がありましたから…」



「暴行痕? 書いてないな」



「あら? 本当だわ…担当のミスかしら?」



犯人が暴行しているならば、プロファイルのズレを修正しなくてはならない…。



「じゃあ童貞路線は無しか…女でもない。模倣するほど報道されてもいないし」



「なあ、だ、大丈夫か?」



「大丈夫。必ず犯人を割り出します」



こうした時に希望的返事は逆効果だ。



例えどんな結果が待っていようと、断言しなくては彼自身が集中できない。



「皆樹海付近で死体が見つかり弓矢のようなもので射抜かれている。暴行の有無はあるが犯罪としての手口は同じだ。三件は暴行痕があり五年後の一件は暴行痕が無い。僕は連続殺人だと思います。だとすると五年の間に何かあったのか…」



「匠、なんで樹海を狩り場にしてるんだろうな」



「人気も無く携帯が使えないからでしょう」



「だけど、樹海なんて一歩間違えば自分も迷っちゃうじゃないか」



「確かに…」



犯人は迷わないのか…?



何故だ…?



「この…当時容疑者候補だった人達のリストをお願いします」



「こちらになります」



「どうして捜査が継続されてなかったんですか?」



「手がかりがなくて頓挫したんです…カイムの本拠地が富士にやってきたのでそちらに気をとられたのもあって…」



「なるほど…で、容疑者は三人か。おや? この男は…」