ジ・コントローラー03話『人間狩り』

「に、人間狩り!?」



「彼女は僕に言われてカイムから逃げるため、教団のあった場所から富士山麓の街に歩いて向かっていたところを犯人に拉致されたんでしょう」



「じゃあ娘も…美咲も狩られてるのか!」



「キャンプはいつから?」



「日曜日から月曜日だ。月曜朝、朝食の前に居なくなったそうだ」



「遠金さんがカイムを出たのが土曜夕方。だとすると犯人は日曜日に狩りをしたハズ


「何故だ?」



「狩りが目的なら暗い夜では成立しない。樹海近くの森を夜中うろつくのは自分も危険だし、闇の中なら遠金さんもあれほど長い距離を走った跡はつかないでしょう」



「す、凄いな…」



「そして。土日にゲームを行うなら、平日は働いている可能性が高い。ならば…」



「娘は次の週末まで無事の可能性があるって事か!」



「どこかに監禁されてね。今日は木曜。今夜のうちに富士まで行って泊まって明日探しましょう」


「お、おお! ズズッ…車回してくるわ!」


日影舘さんは涙を隠しながら走っていった。



「遠金さん…」




安らかな彼女の死に顔が、僕の心に突き刺さる。



「こんな事ならカイムを抜けさせなきゃ良かったね…ごめんね…」



シーツをかけながら、僕は彼女に誓った。



必ず犯人に…制裁を加える!






こうして僕と日影舘さんは、冨士にパトカーを走らせた。



わずか一週間弱でまた別の事件で冨士に戻るとは…。



「匠…」




「なんです?」




「ありがとう…」




「礼を言うのはまだ早い。なんとしても美咲さんを見つけてから…僕の好きなカレーでも奢ってくださいよ(ニッコリ)」



「…ああ! 特盛りを奢るぞ!」



「それじゃ牛丼でしょう。まさか牛丼屋のカレーを僕に食べさせるつもりですか? フフ…勘弁してくださいよ…」



「ハッハッ! 卵もつけるぞ!」



「…ようやく笑いましたね」



「…お前は本当に不思議な男だな…話していると安心するよ…」





ほどなく僕達は冨士についた。



「まず所轄の警察署に寄りましょう。類似の犯罪が無いかを探すんです。連続殺人じゃないと思われている事件があるかもしれない」





「なるほど!」





だがこの時、この恐るべき犯罪に隠された悪魔の口が、僕を飲み込もうとしていた事に僕はまだ気がつかなかった…。