ジ・コントローラー競廛蹈蹇璽亜愆洞悄

「………………………」









「……ん……」











「………! ここは…?」






暗闇の中、手を伸ばすとわずか10センチ先…僕の顔の前には木の壁があった。







いくつもの木を張り合わせた壁。






「……痛ッ…」







体勢をずらし手を伸ばした途端、後頭部に痛みが走る。







まるで体育座りのように折りたたまれた僕の身体。







ほんの少し伸ばしただけで手も足も壁にぶつかった。






つまり僕に与えられたスペースは、一メートル四方程度しかないらしい。









張り合わせた木の壁にこの狭さ。










間違い無く僕は







“箱”








の中に居る。






「…揺れている?」





自分が一番気になる項目が一つ理解できたら、次は当然二番目に気になる項目が繰り上がる。





「……砂利道で……速度を落としてる…? 車のトランクか………いや……ディーゼルエンジンの音…トラックの荷台か!」






どうやら僕は、箱の中に詰め込まれ、どこかに移送されているらしい。






土の乾いた匂いからして、おそらく輸入用に使った古い木箱だろう。








後頭部の痛みを考えると、おそらく後ろから殴られて箱に押し込まれたと考えられる









何故?










さて…










何故だろう。












「フゥッ!」










ガンッ!











箱を蹴ってはみたものの、不完全な体勢の僕の蹴りでは全く壊れる様子は無い。






「フン…頑丈だな…」






どうやら僕は今しばらくこの窮屈な思いを味わい続けなければならないようだ。








ならば、今する事は一つ。






何故こうなったかを思い出す事だ。








こうした衝撃による一時的記憶喪失は、まずは最近激しく感情が高ぶった時を検索するのがいい。










「……そうか…」








僕が真っ先に思い出したのは、カイム新教を離脱した遠金真奈美の死を聞かされ、重要参考人として警察に召喚された日の事だった。






そう…







“すべてのはじまり”







の日を…。