窪は儚き夢を見る最終回『とれた釣り合い』

『2月20日』



「うーん…ハッ!」



ゲロ臭い…。




確か集学館に原作持って行って…誉められ…



「あっ!」




漫画家の先生を励ますのに心意気を見せて、ついでにこのところたまったうっぷんを吐き出しちゃった……ような気がする…。




しかもだいぶ強めに言った……ような気がする…。




ゲロくさいって事は…最後吐いたんでしょうね…。




「仕事になるかもしれなかったのに…ああ〜」



なんてバカな…。



「漫画家の先生にあんな態度を…もう死のう」



でもせめて死ぬ前に謝っておかないといけませんね。



「携帯携帯…うっ!」



着信が…15回も…



「こんなストーカーみたいにかけてくるなんてよほど怒ってる…ん!? しかも今日20日? 2日間寝てたの!」



こういう時は早く謝った方が誠意ありますよね?



くっそう…



自分のバカさが悲しい…。



「とりあえずかけないとね…」




「あっもしもし窪さん?」



「ハイ…この度は誠に申し訳ありません…私の不徳の致すところで死んでお詫びを…



「いや、“そんなの”どうでもいいんです! 原作、決まりましたよ」



「えっ!? 痛風が! どっちの作品ですか?」




「違います。努乃番先生が、この間の飲みで窪さんの人生とキャラクターが面白いから、窪さんを主人公で漫画にしたいって!」



「…は?」



「窪さんが主人公の、中年の悲哀と出来事を漫画にアレンジして連載するんですよ!



「じゃあ原作を書くのは…」



「今まであった出来事や日記を書いてください。あなたは史上初の“生きる原作”なんです」



「生きる…原作?」



「タイトルはズバリ『窪は儚き夢を見る』。これからも面白く生きていってください。とりあえず近日中に打ち合わせをしましょう」



「は…はい!」









……仕事…決まったみたいです。






『生きる原作』







か…。




釣り合い…とれちゃった。





生きてりゃ色々あるって事ですね。






これからも下を見て生きていこうと思います。






皆さんも…地震だなんだとありますが、きっと明るく笑える日がきます。






それまで…良かったら、アタシを見て元気出してください。





なんなら心意気、見せますよ?