窪は儚き夢を見る13『リメンバー心意気』

「先生もうすぐくるそうですから先に飲んでましょう」




はてここは偶然にも先日ヨネちゃんと飲んだ店ですね…。



「しかし努乃番って凄い名字ですね」



「ペンネームです。この後新作の連載をしてもらわなきゃいけいなので、窪さんも励ましよろしくお願いします」



「先生はどんな感じでふられたんですかね」



「まあキャバクラ嬢の色恋営業に引っかかった感じですね。なんだかんだ半年くらい言い訳されて電化製品を買わされたりしたみたいで」



「電化製品…白物家電は確かにプレゼントっぽくないな」




「お待たせしました…ん? こちらは?」



「ああ、先生が落ち込んでいらっしゃるそうなんで励ましの助っ人を呼んだんです。僕と同じ年の窪さんです」



「窪さんも編集なんですか?」



「いえ、自由人です」



「く、窪さんは原作をやりたいみたいで。先生、次回作の構想は浮かびましたか?」



「…そんなの全然浮かびませんよ…」



「増刊用の大人向けネタ、やってみたがってたじゃないですか」



「それは彼女がいる時代の話です…」



「え〜お願いしますよ! 台割おさえてあるんですから」



「そうは言っても気力がわきません…」



「もう…ちょっとトイレ行ってきますから窪さんお願いします」



「ハイ! 努乃番先生、良かったらアタシの心意気を見てください! はあっ! ングッングッングッ…ぷふぉあっ」」



「…凄い一気だ…けど…なんですか突然」



「アタシの心意気は、見たら元気が出ると仲間うちでは言われてまして、先生を励ますにはこれしかないと! 特大ジョッキ生おかわり!」



「は…はあ」



「先生、いやヴァン様と呼ばせてください! アタシなんて、女とまともに付き合った事が一度もないんですよ? いいじゃないですか半年夢見られたんですから」



「嫌ですよ…結婚の約束までしたのに」



「何を言ってるんですか? アタシなんかね、凄いブサイクな娘に頼み込んでようやく初体験をやったんですよ? しかもね、真正包茎の手術まで受けて」



「そ、それは大変ですね」



「昔の真正包茎の手術はね、麻酔もきかないし縫合も針と糸でやるから本当に痛くて、人生三大激痛の一つなんですよ! モテないわリストラされるわのアタシに比べれば遥かに幸せですって! 下見て生きて生きましょうよ下見て!」