窪は儚き夢を見る12『三つの作品』

「ど…どうですか?」



「……」



「僕的には願望も含めて痛風消滅がオススメなんですけど」




「この…痛風を広めた宇宙人を倒すってやつ…ですか?」



「はい!」



「あの…類を見ないくらいつまらないんですけど…」



「えっ」



「ありがちだし…」



「じゃあ祖母の皺袋はどうですか?」



「これ…おばあちゃんが「鰻と梅干しは食べちゃ駄目だよ」とか「火傷にはアロエがいいよ」とかただ民間療法の話をひたすら言ってるだけですよね…」



「ためになるうんちく漫画のつもりで…」



「いや、すでに出てきてるほとんどが迷信と証明されていますので、万が一掲載できても雑誌として嘘をつくことに…」



「じゃ、じゃあ妄想痛風は?」



「あの…中学生が妄想しているだけの漫画に原作はいらないと思うんですけど…」



「という事は…」



「今回は全滅ですね」



「ええっ!」



「まあプロの方でもなかなか通らないものですから…」



「そうですか…“宇佐美さんは”お気に召しませんでしたか…」



「あの…誰が読んでも地獄のようにつまらないと思います…」



「そんなにっ!?」



「おかしいなあ。面白い空気の漂っている人だと思うんですけどねぇ…そもそもなんで痛風がテーマの作…品(と言っていいのか?)が二つもあるんです?」



「自分が痛風なんで、その痛みをリアリティを持って書けるかと思いまして」



「…その方向自体は間違いではないんですけど…」



「本当ですか? アレは痛いからな人生三大激痛の一つだし…って事は宇佐美さんも痛風なんですか?」



「いや、痛風が間違ってないんじゃなくて自分の体験をリアリティとしているところです」



「なんだそっちですか」



「漫画ってものをわかってもらわないとなあ…」



「漫画家の人に会った事も無いですからねぇ…」



「あー…なるほど。あの、今日この後担当している努乃番先生と飲むんですけど、良かったら一緒に来ませんか?」



「ええっ? 打ち合わせに僕なんかが行ってもいいんですか?」



「今日は打ち合わせと言うより落ち込んだ先生を励ます為に飲むんですよ。だから一緒に励ましてもらいたいんですけど」



「なんで落ち込んでるんです?」



「女性にふられたみたいです」



「…ふられるの、流行ってるなあ」