窪は儚き夢を見る11『滑りマシン』

「原稿…は無いんですが」



「えっ!? ……(無言)」



「絵、描けないんです…」



「ああ、原作(志望)ですか?」



「いや、編集志望です…」



「編集? …いや…それはちょっと意味が…」



「先日、長年勤めた印刷会社を首になりまして…新たな職探しに…」



「ああなるほど…電話を取ったバイト君が勘違いしたんですね」



「39歳にもなってお恥ずかしい話ですが、新たなチャレンジをしたいと思いまして」



「39歳? 僕と同じ年ですか。なんだか他人とは思えませんねぇ…せっかくいらっしゃったんですから、もし良かったら漫画の原作を書いてみませんか?」



「原作?」



「39年生きてきたんですから、何がしかのエピソードはおありでしょう。勿論簡単な仕事ではありませんが、遅咲きの方もいらっしゃる世界なんで」



こ、これは思わぬ方向に…



「はい、確かに漫画好きなんでちょっとチャレンジしてみたいと思います」



「そうですか! どんな漫画が好きなんですか?」



「ドラえもんです」



「……」



「あとサザエさん」



「あの…大人になってからも読んでます?」



「いや、あまり…」



「…うーん…これ、うちの本なんで良かったら何冊か読んで見てください」



「あの、書き方とかは?」



「最初ですからシナリオっぽくなってたらなんでもいいですよ」



思わぬ展開です。



これで仕事になれば渡りに船。



ここは一発面白い事を言って印象づけるしかありませんよ。



「宇佐美さん…同じ年なんですね」



「ハイ」



「サンキュー(39)!」




「…………」






『2月18日』


おはようございます。




そんな訳で昨日は早々に帰宅して頑張って三作書いたんですよ。




もう夕方になっちまいましたが今から持って行くんです。




どんなの?




街のタバコ屋の物知りおばあさんが孫に色々教える


『祖母の皺袋』



って言う話と




お色気ものもアリみたいなんで、若くして痛風で寝たまま動けなくなった青年が色々嫌らしい話を妄想する


『妄想痛風』



3つ目はSFで、地球から痛風を絶滅させる近未来ものです。


その名も



『痛風消滅』




へへ…特徴も生かしたし3つも書けばどれかはひっかかるでしょう?