窪は儚き夢を見る09『ゆるゆる職探し』

「あんなに言わなくてもいいのに…」



担当にボロカスに言われたアタシは、失業保険の申請をして職安…ハローワークっていうんでしたっけ、をあとにしました。



ジャジャジャーンジャンジャンジャンジャン(暴れん坊将軍のテーマ)♪


「おっと電話だ。もしもし窪です」



「窪さん、わかってかけてるから名乗らなくても大丈夫ですよ」


「おおヨネちゃん久しぶり」


「いや、昨日会ってるじゃないですか」



「ああ、昨日飲んだのヨネちゃんだったんだ」



「アンタどこまで忘れてんすか!」



「気がついたら今朝方家だったもんで」



「酷いなあ…それで、昨日の話ですけど」



「昨日の話? なんだっけ」



「再就職できそうな会社ないかって言ってたじゃないですか!」



「ああ…覚えてないけど言いそうだ」



「一件ありましたよ」



「ホント! 何系?」



「介護系です。かなり給料安くなりますが」



「介護か…自信無いなあ…」



「贅沢言ってらんないんじゃないですか?」



「僕のドジ具合だと事故を起こしそうな気が…しない?」



「確かに…介護と逆の方向に行きそうな気がします…死人が出そうな…」



「ねぇ…」




「ちなみにやりたい仕事はないんすか?」



「IT?」



「…の会社の警備とかならあるかもしれませんよ」



「うおい! 暴漢が来てもやられるから!」



「ですね…他は?」



「テレビ局? 日テレとかいいね」



「プツン! ツーツー」



「あれ? もしもし?」



切れましたね…電波悪かったのかな。



「朝からハローワークにいったから腹減ったなあ」



「もし、そこの地蔵」



「地蔵? …アタシ?」



「他にいないでしょ?」


占い師…っていうやつですかね。



「なんですかおばさん」



マツコデラックスに似てるなあ…。



「おば…ためらいなく言ったね…。アンタ、困ってるね」



「え! なんでわかるの!」



「そういう相が出てるから」



「あの、占いはいくらですか」



「2000円でいいよ」



「じゃ、じゃあお願いします。最近ついてるのかと思ったらついてないし、いったいこのあと僕はどうなるんでしょう」



「ふうむ。手をだしな」



「はい」




「うむむ…この手相は!」