終着駅10『カウントダウン』

さっちゃんからのメールが途絶えた翌日の昼、さっちゃんに


『大丈夫かい? 今日はみっちゃんにまた餌をあげてくるね(^-^)』


とメールして、午後からみっちゃんのいた駐車場に行った。


せめてみっちゃんにご飯をあげたくなったのは、何かさっちゃんとつながっている事をしなくては僕が耐えられなかったから…。


メールが途絶えたのは何故なんだろう。

おそらく、病院だから待合室に行ってメールしていたはずだ。

昨日は待合室にいけなかったのか…?

大事じゃないといいな…。

駐車場につくと、みっちゃんは走ってきてくれた。


「みっちゃん…いた!」


袋から一昨日買った松坂牛を出して置く。


みっちゃんはお腹が減ってたのか、凄い勢いでパクついていた。


「みっちゃん、せめていなくならないでよ…。さっちゃんがいないんだから」


さっちゃんがいないってくだりのところで、みっちゃんは一瞬僕を見た。


そして食べ終わると、右を向き固まる。


「よしよし…ん? どした?」


みっちゃんの見ている方向に目を向けると…


「あっ!」


僕が待ち焦がれた最上級の笑顔の女神が、こちらにゆっくりと歩いてきた。


「さっちゃん!」


「僚ちゃん! ごめんね!」


「もう退院できたの?」


僕は嬉しさを隠しきれなくなってしまったけど…さっちゃんは苦笑いで答えた。


「ううん、もうちょっと入院しなくちゃいけなくて…着替えとか必要なものを取りにきたの。家に入ったら僚ちゃんにメールしようと思ってたけど、姿が見えたから来ちゃった」


その笑顔は、何か隠しているような…悲しい笑顔だった。


「そうなんだ! でも顔見れて嬉しいよ!」


僕は、そんなの気がつかないような元気で返した。


「僚ちゃんのくれたチョコ、美味しかったよ。マッサージ機も使ってるよ〜ありがとう」


「いやいや、なんかみっちゃんだけじゃなくてさっちゃんにもしたいなって思ってさ…今度はご飯食べに行かない?」


「うん! 僚ちゃん、あのね、退院したら渋谷のお買い物に付き合って欲しいの。ずっと1人でね、いつもカップル見て悔しかったから…」


「うんうん! もちろんだよ!」


「それを目標に頑張って早く退院してくるね」


「う…………ん………あ…あ……」


突然、味わった事の無い痛みが僕の身体を包み始め、意識が遠くなった。

「…僚ちゃん!」