ジ・コントローラー〜司る者院惷義Vsコントローラー』

「一つ聞きたいんですけど…ソーマエネルギーってなんですか?」


教祖は流石場数を踏んでいるのか、僕の質問に質問で返さず、変わらぬテンションで答えを返して来た。


「神と人間に備わるエネルギーだよ!」


僕の最初の狙いは、いきなり知らない人間にステージ上で質問され、彼が慌てる所を信者に


“見せる”


事だった。


人間らしい部分を見せる事で教祖を崇高な位置から引きずりおろしたかったんだけど


「ソーマエネルギーが無いとどうなるんです?」


「幸せになれないんだよ!」


「ちょっと!降りて貰えますか!」

スタッフが僕を連れだしに来た。


「待ちたまえ! 彼のような不信心者を説得してこそ意味がある! 今日は一般の方も参加しているんだ。彼のように懐疑的な人もいるだろう! 代表として彼を論破する事でカイムの素晴らしさを伝える事にしよう! 皆さん、いいでしょう?」


「ワアー!」


「と、いう訳だ。君、名前は?」


「フフ…匠條史郎です」


なかなかたいしたもんだ。

僕の出現をハプニングからイベントの一環に変えるとはね。


だが…僕とディベートする事がどんなに危険な事か、彼はすぐに思い知るだろう。


「ではお言葉に甘えて質問します。ソーマエネルギーをどうやって見つけたんです?


「ソーマという神の飲み物を知っているかね? それを飲むと神に近づける。私は海外での修行中にそれを飲んだ時!身体に高まる“何か”に気づいた。それがソーマエネルギーだったんだ!」


「変だなあ…」


「何!?」


「ソーマは、ゾロアスター教やヴェーダの祭で使われる一種の興奮飲料で…確かに神の飲料って言ってるけど、高揚感や幻覚作用を伴う麻薬の一種なんですよ。嫌な現実を忘れたり英気は養えても


“幸せ”


なんていう個人によって指針が変わるものとは全く関係ないでしょう」


「…内的充実を計る事で幸せがやってくるという意味だよ!」


「それまたおかしいですね。じゃあ元気で充実してたら幸福に近づくって事ですよね? 元気になる方法はあなたの精液を飲んだりあなたと一晩共にしなくても沢山ありますよ?」


「ザワ…精液…?」


「な…何を言ってるんだ小僧!」


フフ…段々本性が出てきたぞ…。


「カイム聖水を分析したら中身は薄めた精液でしたよ。そして女性と一晩共にするのはあなたの幸せでしょう。…すなわち!