ジ・コントローラー〜司る者『教祖対決一歩前』

「生理だったら教祖も別日に変更するんじゃないかな!」


「そう…です…ね…う…お腹…痛い…」


「今日は休んだ方がいい。僕がついて行って上げるから部屋で休みなさい」


「はい…」


教祖との行為を回避させるには、咄嗟に彼女に生理になってもらうしかなかったが、彼女は勿論生理では無い。


元々人に影響されやすい恵さんは、僕が言い続け撫で続ける事によって


“そんな気になって”


きたんだ。


薬だと思えば水でも体調に影響する


『プラシーボ効果』


を応用した。


しかし、いくらなんでもただ口にして撫でるだけで本当に生理だと思いこませる事はできない。


そこで僕はイチかバチかでカイム茶を使う事にした。


向精神薬により暗示がかけやすい状態になる事を期待したんだ。


そうしたら狙いは的中!


巧いこと生理だと思い込んでくれた訳。


もしもカイム茶がただのお茶だったら?


その時はまた別の手段を考えたよ。


更に乱暴なやつを…ね。


と、ドアが開いた。


「匠さん…でしたよね?」


ドアを開けたのは、最初のカリキュラムの時にリーダーに指示を出した幹部だった。


「確か…真矢峰さん」


「ほう、もの覚えがいいですね。ところでうちの遠金を知りませんか? あなたの個別カリキュラムを担当した女性を」


「いや? 僕を部屋まで案内してもらった後は知りませんよ」


「そうですか…」


彼は、僕に疑いを抱いているようだ。


細かい綻びに気がつくクレバーなタイプ…恐らく彼がカイムの整理整頓を担当しているんだろう。


「真矢峰幹部…私…生理が来たみたいで…」


「うん? …そうか…では私から教祖には言っておくよ」


「フフ…真矢峰さん、教祖の雁波さんにお会いしたいんですが」


「教祖は修行中なのでそれは無理です。明日の昼にホールで行う全員セミナーには顔を出しますから」


「そうですか。あの新聞広告まで打ったカイム初の一般参加セミナーですね」


「ええ。今晩はもう何もないので、こちらの部屋でおやすみください。匠さんは多少他の方と違うみたいなんで、この4人部屋はお一人で使用いただく用に手配しておきましたからおくつろぎください」


フフ…一晩かけて同部屋の信者の洗脳を解くつもりだったのに…カイムにもキレる人間がいたようだね。

だが、逆に明日はついに教祖が射程圏に入るって事だ!