ジ・コントローラー〜司る者Α慷瀚召離ぅ縫轡─璽轡腑鵝

「サービスエリアでコーヒーでも飲もうか」

僕は車をとめた。


「はい」


「ところで今日のセミナーって何するんだろ。確か最後はみんなで教祖のアジテーションを聞くって聞いたけど」


「よく知ってますね! プログラムは人によって第一段階、第二段階、第三段階となっているんです」


「第一段階はどんな事をするんだい?」


「第一は10人くらいのグループに別れて自分の欠点を喋って…」


「ああ、罵り合うやつね」


「あの!? …やった事あります?」


「いや? それ普通の自己啓発セミナーではよくやるんだよ、知らなかった?」


「はい…カイム新教のオリジナルだと…」


「とんでもない。そうやって人間を限界まで落として心を無防備にするっていう方法なんだ。そうやって無防備にすると…」


「どうなるんですか?」


「はしょって言えば洗脳しやすくなる。意のままに操り安くなるんだよ」


「…!」


彼女の心に二つ目のくさびを打ち込んだ。


でも洗脳されている人間に深追いは禁物。


僕はここで彼女のカイムに向かった意固地な気持ちにくさびを打つ作業をストップした。


なんでかって?


んー…洗脳解きの一番のキモは説得なんだけどさ、それを意味あるものにするには僕が彼女にとって


“味方”


でないと駄目なんだよね。

敵や中立の人間の話を聞けるようなフラットな立場に無いからね。


映画で犯人を説得する時


「僕は君の味方だ」


って連呼してるの聞いた事ない?


あれは相手をまず話を聞く状態に持って行きたいから言う台詞なんだ。

これ以上続けると揶揄に繋がるから。

「すると第二段階は個別か勧誘かな」


「はい…第二段階は勧誘です。友達を勧誘する事で実践的にカイムを理解しさせるのが…」


「で、それに関するミーティング?」


「はい」


「そして第三段階が個別か…ひょっとして、女性は夜にやるのかな」


「そう…です…」


「! そう…よろしくないねぇ…」


「どんな内容かも…わ…かるんですか…?」


「…うん…」


「でもソーマエネルギーが足りないんだから仕方ないです…それでエネルギーが満ちるなら…」


「…それが今日なの?」


「はい…」


この手の宗教ではよくある事だけど、なんだかんだ理由をつけて教祖は信者と関係を持つ。


つまり今夜彼女は教祖と関係を持つ訳だ…。