ジ・コントローラー〜司る者ァ愧砲鮓る目』

「凄い車ですね!」


「コルベットって言うんだよ。乗って乗って」


土曜の朝、僕達はカイム新教のセミナーに向かうべく車を走らせた。


「匠さんて不思議な人ですね」


「どうして?」


「いつもニコニコして…なんだか落ち着きます」

「それは僕が年間何十もの悩みを相談されるからさ」


「どういう意味ですか?」


「僕の喋りはメトロノームで計ると心臓の鼓動と同じリズムである事がわかる。話している時の動作も同じ。これ以上遅いとイライラされ、これ以上早いと安心材料にはならない。相談してくる人が不安を感じず安心感が増すように制御しているんだ」


「凄い…そんなに人の相談にのるなんて、頭いいんでしょうね…私、バカだからな」


「どうしてそう思うの?」


「私、いつも男の人に騙されるんです…気が弱くて、頼りたいなあって思ってるんですけど現実は…」


「統計的に目が大きな人は精神的に弱い事が多いんだよね…」


「そうなんですか?」


「それに男運なんて簡単に変わるよ」


「どうやって?」


「君さあ、自分に

“こんなに色々してくれる”

又は

“こんなに押してくる”

ような人を恋人にしてるでしょ」


「なんでわかるんですか!」


「フフ…そういう男の人はね、そうやって力やお金を使う程付き合った後


“手に入れた感”


が強くなって、女の子を自分の

“物”

として認識するんだよ。だからそれを愛情があるからだと思っている多くの女の子は男運が悪いケースの方が多くなっちゃう訳。しかもそういう男は

“こうやれば女は落ちる”

とパターンにしてやっているから洗練されているように感じるんだよね。でもその裏には何人も同じケースがあるって事だから」


「そんな…じゃあ男の人をどこで選べば幸せになれるんですか?」


「責任感。つまりは人間に対してどこまで責任感を持っている人かが一番重要なんだ。例えばいくら社会的地位があっても仕事だからってドタキャンするような人は論外だね」


「そうなんですか…勉強になります」


「自分や彼の友達や他人に対しての振る舞いで判断したらわかる事さ。だからね、男

“運”

じゃないんだよ。選ぶポイントね」


「!」


彼女の洗脳に対して、一点のほつれを作り出した。


一番のトラウマにくさびを打ち込んだんだ。


次の一手は…