かおりちゃん・前編

好きな人ができた。



僕と同じ、会社のOL・かおりちゃんは茶色がかったロングヘアが似合う、僕の1つ上の26歳。


かおりちゃんとは帰る方向が一緒だったから、いつも食事をして帰った。

ウインクが癖の彼女の大きな目が優しく僕を見る度に、僕の心は彼女にひかれていったんだ。


物静かでどこか影のある彼女は本当に魅力的で…これだけ一緒にいるんだから向こうも僕の事を好きだと思っていた。




どこか遠くを見ているような笑顔が、付き合う事でもっともっと幸せそうな顔になると思った。




そして出会ってから半年。






ついに僕は告白した。





でも、すぐに返事はもらえなくてさ。






「照れてるのかな?」




なんて考えながら、一晩中モヤモヤ…エへへ。




翌日、彼女の友人と三人で食事に誘われると、その場ではなんだかずいぶんヨイショをされて、かおりちゃんは僕をそんなに良く見てるのかって…嬉しくなったよ。




きっと彼氏を友達に自慢したかったんだってね。


けど、彼女は途中で体調が悪いと席を立ち、戻ってこなかった。




僕は名前も頭に入らないその友人に、電話番号を聞かれるがまま、交換して帰路についた。




そして次の日。




「かおりちゃん、昨日どうして帰っちゃったの?」



「……あの娘、どう思う?」



「どうって…別に? もしかして彼女と仲良くないの?」


「…ううん。そうじゃないの。…今日も一緒に帰ろうね」



その日、今度はかおりちゃんと似た印象の、痩せたロングヘアの友達も参加した。


遠目だと兄弟みたいだ。




昨日と同じく僕のいいところだけ説明して、また彼女は消えた。





残った僕と彼女は…やっぱり昨日と同じように、番号を聞かれて解散して。




「これは…」





僕は、気がついた。







彼女は友達に彼氏を紹介しようとしているのではなく、男女として紹介していたんだ






と、いう事は…