哀唄『かなしいうた』

ずっと。

ずっと一緒にいる筈だった。

全ては決まっていた筈なのに。

大好きだったよ。

血を流す程。

愛していたよ。

気が狂う程。

「良一、今どこにいるの?」




玄関を開けてすぐ見える壁には

“血文字”

でそう書かれていた。


「せ、先輩…これは…」

「ああ…」

血で描かれたメッセージを見ても恐怖や嫌悪が沸いてこず…何故だか、涙がこぼれ落ちた。



恋愛なんて、2人の好き度が寸分の狂い無く同じ事の方が少ない。

「彼女は、今回俺の事を好きな度合いが強過ぎた…だけだったのかもな」




まるでこの詩は…彼女の心の叫びが滲み出るような唄に聞こえてきた…。







そう…






“哀しい唄”




に…












3日後、俺はマンションを引き払い、ほとんど帰らない親父が住む実家に戻った。


しばらく1人暮らしをする気にはなれなかったしな。









――そして半年後。





すっかり心の傷も癒えた俺は中山といつもの渋谷ファッションビルの地下の喫茶店でお茶を飲んでいた。


「先輩、自分彼女ができたんですよ」

「ほう?どんな?写メないの」


「ありますよ!ちょっと見てください、こんな美人が…」


「…え?」



そこには、見たことのある影のある女が微笑んでいた。



「彼女はちょっと恋愛にトラウマがあるみたいでですね。寂しがりで。自分、そういう娘慣れてきたんで…」





 
  • コメント(全10件)
  • こーだい 
    12/20 17:06

    まさかの…
  • のぶぶ。≪多忙コメ無し。m(__)m≫ 
    12/20 17:07

    そうきたかぁ

  • 刃影 流壱@夏瀬 刄修矢 
    12/20 17:09

    てっきり、グロい死体があるのかと…

    ですが、それより恐ろしい結果に

    主人公はこの連鎖の中の犠牲者の一人に過ぎない…
  • ゆず(マイペースです…★) 
    12/20 17:10

    なるほど…
    間は狭いって事ですなっ

  • LAINBOW・GRIFFITH 
    12/20 17:23

    凄い

  • уоц☆ ありがとう 
    12/20 17:26

    おおっ
    りがとうございました…また次期待しま

  • †血汰† 
    12/20 17:48

    ドキドキしながら読みました


    やっぱし、女の人は怖いですな

  • чυικα☆ 
    12/20 18:05

    貴美がすべてを知ってて
    中山の女になったのか…

    違う意味で怖いわぁ


    また次回作ありますか?
    楽しみにしてます



  • あっくん§愛死輝§プリアバを〜 
    12/20 21:48

    う〜ん
    オチが

  • アキラ 
    1/27 05:48

    今電車の中や乗り継ぎしながらコメントを書いたつもりが多分送れず全部きえちゃった
    う一度一からです

    とにかく読めば読むほどハマりのめり込みまし
    青木さんは貴美なんかよりよっぽど変態だと思いま
    これだけの作品を頭の中で想像しそれを字にす
    読みながら僕の頭の中に挿し絵もないのに景色や背景そしてかおまで描かれました
    青木さんの頭の中を一度見てみたいです

    最近青木さんの作品を色々読んでいるうちに字にするということに少しずつ興味が出てきまし
    ブログでもやってみようかなぁなんて

    いいものが出来るようになったら青木さんの男の弟子第一号にしてくださいね
    これからの青木さんの作品本当に楽しみにしています
    仕事嫌いの青木さんは嫌だと思いますが心の底から応援し楽しみにしている奴がいることをたまに思い出しながら頑張って下さ
    青木さんの一ファンそして弟そして男の弟子第一号前田よ

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