哀唄 悗なしい小鳥』

ずっと。


ずっと一緒にいる筈だった。

全ては決まっていた筈なのに。

大好きだったよ。

血を流す程。

愛していたよ。

気が狂う程。

「良一、今どこにいるの?」





初めて貴美と会ったのは、合コンでもなんでもないただの飲み会だった。

俺は結構影がある娘に引かれる。

貴美も影があってね


まるで政治家の愛人みたいな…っていったら変な表現かな。

「私、男運が無くて…ついてないんですよ」

そんな自虐的な彼女に、男気がムクムクと頭を上げた。

「へえ…俺がついてればへっちゃらさ。何故なら俺はプロファイラーだからな。相談のるよ!」

「そうなの?心理学に強いって事?」

「まあそんな感じ♪」

そう自慢げに話す俺は…バカだった。


この時言葉通りにプロファイリングを使っていれば、全の災いは扉を開けなかった。

言い訳するなら…当時は今みたいに会う人間全てにプロファイリングを使っている訳ではなく、単に宴会芸に毛の生えたような使い方だったから。

「で…この後どうしようか」

「2人で飲む?」

若い俺(今だって若いけどさ)は、正直その後の事ばかり考えていた。

その後?

そりゃ勿論、朝まで一緒だよ。


この時代、俺は一人で暮らし始めていた。

親父と暮らしたくなくってね。

彼女? 別に無理やり誘った訳じゃない。

成り行きってやつだ。

そう…成り行き…。


「午後電話するね」

彼女は朝方帰っていった。

仕事は…テレオペと、スナックでバイトしてるって言ってたな。


俺は寝坊しながらも学校に行ったよ。


まあ勉強なんかどうでもよくて、友達に会いに行ってただけなんだけど。


この頃放課後は、いつもみんなで集まるコーヒーショップに入り浸ってた。



だけどこの日…いつもと違うのは、放課後に携帯を見たら、貴美からの着信が、50を超えて入っていた事だった…。