ボクシングのデスマッチ

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東京・後楽園ホール。プロボクシング『チャレンジスピリットシリーズin後楽園ホール』でのセミファイナルに行われていたのは賞金獲得マッチ。


スポーツ王国のキューバから来日した元キューバ国ジュニア王者のバロディア・カレロ・エルナンデス(写真右)がプロに転向。対戦相手と賞金獲得マッチとなった。



ルールがまた変則的である。

相手が1Rで倒されなければ10万獲得。2Rならば20万獲得。勝利すれば50万獲得というルールだ。



その対戦者は石川昇吾選手(写真左)。わずか10戦選手で8勝(2KO)2敗というキャリアの選手だ。



こういってはなんだが、まだ無冠でわずか10戦。8勝と勝率は高いものの2KOとはKO率は決して高くない。ずば抜けた記録保持者でもないようだ。



このルールのいきさつは解らないが、バロディア側が要求したのか、石川選手の記録を見てナメられたのか、解らないが凄まじい緊張感。



キューバはプロスポーツ競技のない国。

アマチュアとは言え、プロ顔負けのアスリートが多い。


バロディアも凄く好成績を残したに違いない。



ボクシングの賞金獲得マッチ=デスマッチだ。


試合前の異例なるルール説明に会場も異様か緊張感が走る。



まだ見ぬ強豪バロディアへの期待と日本人選手が1Rも持たないのではないかという不安…。



プロレス的なデスマッチに感じた。



ゴングが鳴る。



軽快なフットワークとバネの持ち主のバロディア。


キューバ独特のヒップアップと光る筋肉が眩しい。


かたや緊張感を発する石川選手は大和魂を見せ付ける。正に静と動の対決。


石川選手もこの試合のために肉体とモチベーションの心身ともに鍛え上げてきたようだ。


肩の三角筋の発達と足腰の強そうな選手と伺えた。

跳躍力のキューバ対強靭な足腰の日本人の解り安い対決になりそうだ。



試合は軽快なステップで石川選手を追い詰めるバロディア。圧倒する姿にとりあえず第1R、倒されなかった石川選手は10万円を獲得した…。会場から拍手が送られる。バロディアはまだ余裕が見えた。



確か第2Rだったか、石川選手がダウンを奪われてから、観客席からため息が漏れる…。もはや時間の問題となってしまうのか…。第2Rも何とか凌ぎ、次のラウンドまで持ち堪えた…。とりあえず石川選手にまたも拍手が飛ぶ。



しかし、次のラウンドは石川選手も怒涛の反撃を見せた。



腰の入ったパンチがバロディアを捕らえるとコーナー際で動きの止まったバロディアを捕らえ、逆転KO!



石川選手が勝利し、50万円を獲得した。



格好よかったのはここからだ。石川選手はマイクを持ち、この試合に対する思いを告白。


「正直怖かった…。賞金が欲しいから受けたのではなく、ただ勝ちたいという思いだけでした…。」


無の心が試合を制した。
彼に大和魂を感じた…。



素晴らしい試合だった。



石川選手にはこれを機に足腰とパンチ力の強さが立証されたのだから、自信を持ってKO率を高めていって貰いたいと思った。



パンチしかないルールのボクシング。

プロレスに比べてパンチしかないのだから派手さはないにせよ、パンチ力、フットワーク、足腰など、個性がこんなに出せる。

プロレスも類い稀なる運動神経や強靭な足腰などを見せ付けるレスラーが出て来て貰いたいものだ。


この試合もある意味デスマッチルールだから感情移入できて面白かった。



満足のいく試合観戦であった。