理髪店

雨だ。寒い。歩いて五分の理髪店に来た。
そろそろ散髪に行くタイムリミット・・ダナ。
床屋?なんでトコヤって言うんだろう?

自分の頭は人に比べて刈り取る本数が少ない。
だから短時間で済む。その分肩もみを長くして時間の帳尻を合わす。
床屋さんの常套だ。
実際、先に散髪してた人を後から入って先に終了した事がある。

今日、いつもの通り、リクライングして髭を剃ってもらっていた。
その時入り口付近で来客の気配だ。
主人が、僕の横の椅子にお客を案内した。
主人の会話を何気なしに聞いていた。
如何にも、しゃべり方がゆったりで紳士然とした温和なお客・・・
リクライングしてるから見えない中で想像してみた。

長髪に顎鬚でも、ちょぼっと生やした品のある人だろうか?
文士か?芸術家?
僕の髭そりは終わった。椅子を起こしてもらいソロリと鏡を通して横を窺った。

そこにいた人は僕の想像してた通りの人だった。
白髪の髪を後ろで結び、髭をたくわえた、やさしそうな目をした初老の人だった。
芸術関係の人かな?

襟足が寒くなった雨の日だった。

 
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